BACK                   ATELIER VEGA             2003.1.15更新

  NO7<ルーマニア正教教会のクリスマス>

<ルーマニア正教教会のクリスマス>
修復中の教会(ブカ美大修復班の修復作業を視察)

NO7<ルーマニア正教教会のクリスマス>
ルーマニアは国民の大多数(89%)がギリシャ正教の流れを汲むルーマニア正教です。
(クリスマスの1ケ月前から肉類、卵、牛乳、チーズも口にしません)
ブカレストには約300の教会があり、次ぎづぎと新しい教会が建っているそうです。私のアパート200m範囲にも4つの教会がありますし、日曜のTVは延々と宗教番組が流れ、12月はクリスマス行事も加わりモルドバ、マラムレシュ、トランシルバニア各地の教会の話題満載です。
12月18日・19日は、モハヌ教授による教会研修がありました。ブカ美大による修復中の教会では若き修復家達が5mの櫓の上で黙々とトラテッジオの点を打っていました。ひっきりなしに訪れる信者も櫓の間をぬって祈りを捧げて行きます。どちらも神に祈る心は同じなのでしょう音ひとつしません。破損の大きいこの教会の修復は、少ない文化予算の中で、これから先何年かかるのでしょうか?ゆっくりと確かな技術で完璧な修復を・・・ルーマニアの心をかいま見た気が致しました。もう一つスタブロポレオス教会はすでにブカ美大による修復が終了し美しく蘇った中でのクリスマスミサ・コンサートです。日本の唱名にも似たミサ・コンサートは、満月の光の射し込む教会に響きわたり凍てつく街に浸みてゆきました。
12月24日は文字どうりのホワイトクリスマスです。教会をいくつか回りましたが半分はひっそりと灯りが消え、ある教会では禅問答のようなミサが行われていました。凍てつく帰り道突然、銃声を思い起こす爆音に振り向くと、満天の星空に、星降るごとくの大花火。マイナス10度の大花火です!
     「唱名の調べにも似て賛美歌は
            マイナス10度の聖夜に浸みる」
断食明けの25日は家族で教会ミサに参加し、ルーマニア正教暦を頂いて静かにクリスマスを祝います。日本のお正月風景と似ているように思いました。