BACK                   ATELIER VEGA             2003.1.15更新

 ■<ルーマニア一般情報>■ ■No1<修道院視察>■

「5つの修道院」ヴォロネッツ修道院

<ルーマニア一般情報>

○ 国名:ルーマニア(Romania)「ローマ語をしゃべる人々の土地」の意で東欧唯一のラテン系の国、人口2,249万人。首都ブカレスト(Bucharest)人口203万人。
○ 面積:237,50Km2(本州とほぼ同じ)
○ 宗教:ギリシャ正教の流れを汲むルーマニア正教(89%)カトリック(5%)
○ 言語:ルーマニア語。
○ 民族:ルーマニア人、ハンガリー人、ドイツ人。

No1<修道院視察>
2002年10月9日深夜ブカレスト着。成田から10数時間の長旅でした。
早速、大学での入学手続き、主任教授との打ち合わせを済ませ、13日から研修テーマのモルドバ修道院・フレスコ画視察へ出発しました。旧ソ連の構成国であったウクライナに国境を接するモルドバ地方は15世紀、オスマン・トルコ軍を何度も撃退したシュテファン大公が各地に教会を建てルーマニア正教の庇護と民衆の啓蒙に務めました。外壁の隅々にまでフレスコ画が描かれた「5つの修道院」(世界文化遺産)が残っており、そのフレスコ画を訪ねての念願の旅です。

車でブカレスト〜モルドバまで8時間。黄金色に輝くポプラ並木を馬車を追い抜きながら地平線に向かってひた走り・・・夕闇の中にヴォロネッ修道院は凛とした美しさで現れました。圧倒される程の外壁フレスコ画と、祈りを捧げるカルガリーツァ(尼僧)の白い小さな手に、立ち入ってはいけないような別世界のオーラを感じました。
翌朝、フモール修道院の早朝ミサ賛美歌に誘われて村人と共に祈りを捧げていると、民族衣装の子供達が花を手にミサに加り、映画のワンシーンのような時間がゆっくりと流れてゆきました。うっすらと残る昨夜の雪と黄金色に輝く林を抜けると、又、ひっそりとたたずむように修道院が現れます。モルドヴィツァ修道院。スチャヴィツァ修道院。アルボーレ修道院。いずれもルーマニア至宝の数々です。

私にはもう一つ、どうしても訪ねなければならない修道院がありました。ユネスコからの依頼で日本政府が昨年から3年計画で修復プロジェックトを進めているバリネシティ修道院です。ウクライナ国境に接する小さな村に荒れ果ててはいるものの、たしかな存在感を漂わせひっそりと現れた修道院は思いの外、大きくすでに今年の修復作業は終わり、ビニールシートで覆われていました。若きプレオット(司祭)の案内でNHKTVでも放送された内外壁のフレスコ画、地下の遺跡を見せて頂き、敷地内の小さなリンゴの実を口にすると何と美味しいこと、リンゴの花咲く頃の修復作業参加に想いを馳せ、6日間の修道院視察を充実した気分で終了しました。