山崎 進 (絵画 /委員)
Susumu Yamazaki
1944 〜
神奈川
題名 南風をこえて
サイズ 200F
某学会が沖縄で開催された折り、連絡船の乗客となって久高島に渡った。すき透る陽光と深いエメラルドの海原を遥か望みながら、南島の一万年余りの民族史の明暗を思慮した時、何故か心は重い。幼き日、亡き兄と東北の海辺で過ごした想いが重なった。船上の群像と遠望の隔島を視点に、細部の調子に囚はれず、重い色調を排して淡々と筆色を運んだ。群像の心の内を表情の中に試みた。今も海風の響きが記憶にあって、三線の旋律と一緒に聞こえてくる気がした。心はやはり南風の如きである。
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