PAINTINGS & SCULPTURES |
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堀 義雄 (彫刻・委員) 題名 そこに、女と男があった。 私の彫刻には女性崇拝がある。私は戦争を苛烈な第一線の兵隊として戦ったが、それは将校、下士官ではなくて、兵隊としてであって、人間組織の中で最も底辺にあったのである。恥もなく、見栄もない。戦いの中で、明日まで命があるか、と思う日もあった。その時は、私は人間ではなかった。三度の召集の後、ソ連で俘虜生活をした。それは男だけの閉鎖された世界であった。収容所で1年2年と日を重ねていると、次第に女性と言う異なった性への思いがつのっていった。それは人間という以前に、生物として始まった。私の彫刻の原点は、そこから始まる。 |